FC2ブログ

ポール・オースター

完璧に長らく放置してました・・・。

もう誰も見てないだろう、と思いきや、アクセス解析を見てみるとそんなこともないようで、嬉しくないはずない。

久しぶりに自分の文章を読み返してみた。「胸のモヤモヤ」「風の歌を聴けの読書感想文」はいい出来栄えだな、と自画自賛の境地に立ってしまった。そしてコツコツ文章を書き溜めるのも悪くないな、とあらためて思った。

日々、想うことは少なからずある。でもその想いは散漫で、日常の喧騒や時間の流れに消えてしまう。書かない限り、もう救い出す術はない。救い出さなくてもいいだけど、やっぱり読み返した時の喜びは忘れられないので書きましょうか。


このところポール・オースターを読み耽ってる。オースターの「孤独の発明」は、以前の読書日記で紹介した。なぜ昔、「孤独の発明」だけで読むのをやめてしまっただろう、と悔やんでる。

以下、ここ最近読了したオースター作品を列記していく(順番に意味はない)。

・「幽霊たち」新潮文庫
・「ミスター・ヴァーティゴ」新潮文庫
・「ムーン・パレス」新潮文庫
・「リヴァイアサン」新潮文庫
・「偶然の音楽」新潮文庫
・「幻影の書」単行本 新潮社
・「トゥルー・ストーリーズ」新潮文庫



登場する人物が、せせこましい自我に固まった人間でないところがひかれる。陳腐な表現だけど、言葉にできない衝動に突き動かされてる人間を描いてて、それが読んでて退屈しない理由の一つかもしれない。

人間ってハチャメチャな存在だと思う。日本の小説が描くようなしみったれた存在じゃないんだ。オースターの作品には、人間ってこういうもんだ、という固定観念がなく、人間がはらむ一種の狂気のようなものを肯定しているようにも感じられて自由と力強さがある。

どれも面白いだけど、「ミスター・ヴァーティゴ」と「ムーン・パレス」は特に強く心に残る。なんでだろうとちょっと考えてみると、イェフーディ師匠とウォルト、エフィングとフォッグという人生の師弟関係が描かれているから、だと思う。どんな師弟関係だろう、と首をかしげる人はスターウォーズのジェダイマスターとパダワンの関係を想起するとわかりやすいかもしれない。

たぶん、僕はイェフーディ師匠やエフィングのような一癖も二癖もある厄介で複雑で、鼻っ柱の高い若者をボロボロにいじめてかつ教育するのが好きな、そんな大人に出会いたい憧れがあったのかもしれない。結局、僕は出会えず、もう充分に大人といっていい年頃だけど。

あれこれ口出しされて干渉されるのも、命令されるのも、基本的に僕は嫌いだ。誰にも従いたくないし、自由を好む。でもその自由が、力なき自由と感じてしまうこともある。

誰かにみっちり、つきっきりでいじめられながら教育されたらどうだろう。反抗するだろうな。てゆうか、反抗する。一抹のか細い尊敬と信頼と愛情だけが、師弟関係をつなぎとめてる。常に忍耐の限界を越え、イライラし、ウォルトのように成長したらぶっ殺してやる、と煮えたぎる怒りを抱え続けるかもしれない。

でも好意や嫌悪の感情、教えられる技能や知識など本質的な問題じゃないだろうな。反吐でるような大人、蹴り殺してやりたい大人なんて世の中腐るほどいる。でも、少なくとも自分より長い時間、生きてきた、世界に存在しつづけた人間だ。そのような人間から何も受け入れられなかったとしても、人生の先達として、その姿容貌だけからも何かしら学べるのも事実じゃないだろうか。否定とか肯定とか、みみっちいことじゃなくて、師弟関係を通じて若者の内に先を歩いていく力が育まれていく。力なき自由を生きるのではなく、師匠を踏み越えて自由に生きる存在になっていく。壁となる師匠を通して、自分の中に生の軸が生まれてくるのだ。


話をオースターに戻すと、現在、「最後のものたちの国で」(白水社Uブックス)を読んでる。これがまたいい。崩壊感が絶妙だ。こんな小説を読みたかった、と思わせる内容だ。

目新しい事に出会うと、その事について他の人はどう思っているだろう、と気になってネットサーフィンや類書を読んでしまう癖があるけど、オースターについてはほかの人がどう思っていようとどうでもいいや、ていう気持ちになる。それだけオースターのことが気に入ってる証拠かもしれない
スポンサーサイト



テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

19 : 14 : 05 | 読書感想文 | トラックバック(1) | コメント(8) | page top↑
| ホーム |

プロフィール

suavis

Author:suavis
東京都在中。読書感想文をメインに据えてますが、ぶっちゃけなんでも書いちゃいます。はじめて訪れた方は「はじめに」を絶対お読みくださいませ。リンクはフリー、コメントは超大歓迎。ブックマークに入れる推奨。

最近の記事

月別アーカイブ

過去ログ

カテゴリー

カレンダー

07 | 2009/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

リンク

このブログをリンクに追加する

最近のコメント

最近のトラックバック

FC2カウンター

このページ内における「ラグナロクオンライン」から転載された全てのコンテンツの著作権につきましては、運営元であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社と開発元である株式会社グラヴィティ並びに原作者であるリー・ミョンジン氏に帰属します。 (c)2007 Gravity Corp. & Lee Myoungjin(studio DTDS). All Rights Reserved. (c)2007 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved. なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード