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「グインサーガ」を書いた栗本薫さんの訃報

作家・栗本薫さん死去(J-CASTニュース)

「マジ?」が、僕の第一声だった。
次の即座に思ったのは、というか栗本薫さんを知る人なら誰もが、「グインサーガ」どうなるの? と思ったんじゃないか。

「グインサーガ」とは、栗本薫さんの手による超長編大河小説。現在126巻まで出版されてる。前々回の質問の回答にあるように、僕は「グインサーガ」が大好きだ。

僕が「グインサーガ」を知ったのは高校生のころだった。

当時の僕はまず活字自体を読むのがそれほど好きじゃないというか、習慣ではなかった。読書家という言葉には全然当てはまらない人間だった。国語の授業は退屈だった。

そんな僕に読書の面白さ、いや中毒性というだろうか、教えてくれたのは「グインサーガ」だったのだ。「グインサーガ」を読んでからというもの、じょじょに活字の世界に人生が入りこんでいった。

当時「グインサーガ」はたしか40巻まで刊行されていた。図書館でふと手にとったのがきっかけだった。偶然としかいいようがない。栗本薫さんは言うに及ばず、作家の名前なんてほとんど知らなかったし、自主的に読んだ本なんて富士見ファンタジアからでてた、いまでいうライトノベル系の小説を片手で数えられるぐらいしかなかったと思う。

「グインサーガ」にはハマった。借りまくった。5冊の貸し出し制限が図書館にあったのだが、借りた5冊を帰宅してその日のうちにむさぼり読んでしまい、再度図書館にいってそれを返却し、続きを借りるなんて芸当したものだ。時間が腐るほどあったからともいえるが、でも「グインサーガ」だからこそだ。

さして時間もかからず当時の最新巻まで到達し、それからは新刊がでるたびに読んでいく人生がはじまった。図書館にいけば、まずチェックするのは「グインサーガ」だった。

ずっと好きな小説が「グインサーガ」であることを公言してきた。

一時期、「グインサーガ」から離れた時期もあった。自分自身の人生の急変に小説どころじゃないよ、というのもあっただろうし、心身ともに成長して「グインサーガ」にぞっこんというわけにもいかなくなったのかもしれないし、それにたしかに小説自体にマンネリ感というか中だるみ感というか、そんなものもあった。ナリスの死は致命的だった。「グインサーガ」に登場するあまたの人物の中で誰が僕の心を一番ひきつけたかといえば、放浪時代のグインやイシュトヴァーンも充分その資格ありだけど、やはりなんといってもナリスだ。「世界生成の秘密」といったような哲学的な概念を僕に吹き込んでくれたのは夢想家ナリスだった。

ナリスのいない「グインサーガ」なんて、「グインサーガ」じゃない。そんな風に感じもした(うろおぼえだけど、栗本さん自身もあとがきでそれっぽいこともらしてなかったっけ)。でもやっぱり僕は「グインサーガ」に戻ってきた。惰性と皮肉くることもできよう。でもある人はサザエさんや水戸黄門やこち亀を見続けるように、いい意味でのマンネリズムとも言えた。変に頭を動かさずに、安心して素直に小説世界に入り込み楽しむことのできる娯楽小説が「グインサーガ」だった。いわばホームタウン。それに時折胸がしめつけられる場面もあったりする。最近でいえばグインとシルヴィアの別れの場面とか。

新刊は順調にでていた。だから訃報には驚いた。続きはどうするの。

誰かが続きを書くのかもしれない。それはそれでいいでしょう。抵抗感がないといったら嘘になるけど、でたらいつか読んでしまうと思う。それでも。栗本さんのはっちゃけたあとがきって、今思うとあれもあれで「グインサーガ」の味の一つだったんだなぁ、と思う。正直、僕は書いてある内容はよく理解できなかったけれども。あのあとがきがない「グインサーガ」を読んだら、やっぱり「グインサーガ」は終わってしまったんだな、と感じてしまうかもしれない。まさにナリス亡き後の「グインサーガ」のように、栗本亡き後の「グインサーガ」。

続きが永遠にでないのもそれはそれでいいかもしれない。人生、たらればがつきもの。栗本さんが生きていたら。そう思い続け自分が死んでいくのも一興。人生や。

僕は122巻「豹頭王の苦悩」まで読了している。栗本さんがてがけたグインサーガ最終巻は126巻「黒衣の女王」となった(もしかしたら127巻やそれ以降の原稿が亡くなる前にできあがっていていずれ出版される可能性もあるのかもしれないが)。一巻一巻噛み締めるように読んでいこうかな、と思います。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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